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夜の特別診療室 (五)

涼太  2009-05-16投稿
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俺がまだサラリーマン医師だった頃、医局で聡美を見た。首一つ、他より高い。新顔?でナース帽に線四本?婦長待遇。口元を引き締めて機敏に動く、若い。27〜8才か。涼しい目をしている。極端に高くはないが鼻筋が通っている。白衣を胸が適度に突き上げている。白衣と言っても当院は薄いピンクだ。スラリと伸びたスネが長い。スポーツで鍛えた身体は解る。印象深かいのがナース帽の線の本数と後ろに束ねたブラウン系の髪、束ねた中心を真っ赤な珊瑚球がハマった簪が粋に斜めに貫いていた…俺は人事部へ行く。勝手知ったる、戸棚の中の履歴書綴りを引っ張り出す。 聡美の名前を知った。某国立看護大学卒。二年間ドイツに留学。趣味特になし。後で知ったが現役大学生でバスケ全日本チームの強化選手。身長が足りず選考洩れる。…寒い冬の日、車で送って、住居を知る。身体の関係になるまでに時間はかからなかった。特技は医療機器の扱いと機器業界の先端知識、ドイツで学んだこれは並ではなかった。俺と聡美の共通キーワードは、「アウトロー」。。所詮、組織や機構の中の歯車の一つに居場所はなかった。俺はその頃、惰性の毎日に飽きていた。金はない。無医村にでも行き、赤ひげでもやろうかと漠然と考えていた。ちょうどドンの手術を手掛けた頃だった。聡美と身体の関係は続いていた。今もだが…ドンが退院して、ひと月も立たない頃、秘書と名乗る男の声で電話があった。「ご結婚も近いのでは?…」東京からのこの電話に腋の下を冷や汗が流れた。聡美とのこと以外にない。何でドンが知ってる?何の関係がある?汗は止まらない。男は続けてこういう「ついては、心ばかりのお祝いを差し上げたいと。…銀行口座を教えて欲しい」と威圧を込めていう。丁寧に断ると、自分の務めが果たせない。今から車を飛ばす。明日の昼には福岡に着くという。結婚の予定もない等など…優しい声の中の威厳…ついには教えていた。十日程経って俺の口座に振り込みがあった。普通預金に 2000万円。ご丁寧に返却するなら? 3000万円では足りない。俺は退職願いを事務長に提出して、聡美に頼み事をした
総予算は当面の運転資金含めて5000万円。
賃貸店舗付き住宅 及び
内科用医療機器(中古) 一式を一ヶ月以内に揃えて欲しい。聡美は「無理よ。仕事があるから…」
たから聡美と俺の退職日は同じ日なのだ。俺の予想より10日早い40日で揃った。

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