海浦高校 2年C組 夜乃月 和也
前日、この高校に転校してきたばかりである。
友達も余り出来ず、話す相手が居なかった。
たまに、窓側に行って外の景色を眺めたり、携帯を触ったりする日々が続いていた。
転校してきて、早一週間程度経ち皆は、慌てて勉強を始めるが俺は机に伏せて目をつぶっていた。
段々と意識が遠くなり、いつの間にか寝てしまった。
その時、声が聞こえた。
『夜乃月君、夜乃月君…』
「ん―…?」
『もぅ、夕方だよ?』
「ごめんごめん…すぐ、帰るよ」
起こしてくれたのは、クラスメートの 古谷 雪奈 フルタニ ユキナ。
クラスでは、一番静かな子だ。
急いで荷物をまとめて、走って教室から出ようとした時だった、雪奈が突然一緒に帰ろうと、言ってきたのだ。
正直、焦った。
俺は、仕方なしに一緒に帰った。
それから…俺達は仲良くなった。