少年は、笑子にココアを淹れた。
「どうしても話せないのか」
「ごめんなさい。……ごめんなさい」
「お金じゃ解決しないのか」
笑子は似合わず、俯いた。
「笑子さん、どうなったの?」
少女は話に聞き入っていた。
少年もまた話すうちに全て蘇ってきていた。
笑子のアザを見つけてしまったこと。
それが持っていた意味。
少年ではどうにもならなかった事。
「死んだんだ。亡くなったんだよ」
湿っぽい空気が、継ぎ接ぎの天井を突き抜けていく。
だだっ広い、暗い廃工場には今日も男たちの気味の悪い笑い声と、
笑子の喘ぎ声が虚しく木霊していた。
「ぁあん!!ああ!!」
中には笑子の裸体をカメラで撮り続ける者、笑子をアザができるまで鞭で叩く者、
笑子の着てきた着衣を切り刻む者もいた。
「お前!その衣装いくらしたと思ってんだよ!!」
「痛いぃいい!!も、もう叩くのだけはやめて!!」
「お前は喘いでりゃいいんだよ!うるせェなぁ!!」
「ひゃう!!あっ…!!!イク!!も、ダ、メ!!」
笑子はドラム缶に寄りかかり、尻を突き出し、後ろから何人もの男たちの相手をし続けていた。
「あぁう!!あ!また!!イクぅうう!!………っはぁああん!!」
「やだぁああ!!あっ!あっ!あっ!!!イクゥゥ!!!」
「もう……!!やめてぇ!!!あぁあぁあ!!うぁああああ!!!」
学校から帰って全て事が終わるのが夜中だった。
毎週、指定された日に男たちの相手をしていた。
白濁の精液と汗にまみれ、裸体をゆっくり起こした笑子は、学校のカバンの中に隠していた学生服を着て、手鏡を見、乱れた髪型を直し、顔面の精液を拭き取った。
涙が止まらなかった。