彼女に挨拶し、コンビニでタバコを買って戻る際「あの、これ先程落としませんでした?」彼女の笑顔
彼女はクールミントのガムを一枚くれた。ファミレスの席に戻り銀紙を開く…中身は折り畳んだ手紙だ…。
「主人が居ます。冷やかさないで。でも、誰かにアゲマンと言われれば…嬉しいかな。お仕事頑張
って下さいね。私もブティックのお店してますが 厳しいですね。…お手紙…ドキドキしました。」
私は先週金曜日に返事を書いたのだ。「大事なアゲマン女性のご都合いい日に食事でもいかが」と
今日の月曜日、脈があれば返事がある筈だ。
無ければ、チョイ悪の哲学として潔く諦めるのが鉄則
彼女は黒の上下のスーツだ。黒か…予想は半々。私は笑顔で挨拶する「一枚いかが?」とクールミント…
ファミレスの入り口で振り返り頭を下げると、遠くで彼女も頭を下げた。感触はまだ半々。早く読まねば
「有難うございます。折角のお誘いですが。家事もあって。…平日昼間なら…水曜日が休店です」
私はその場で返事を書く「結構です。是非水曜日にランチを…非通知で結構です、下記にお電話を」
最後に「スーツも素敵です」と忘れずに書いた。彼女とすれ違う時「ドキドキします」と聞こえた
私はその日、携帯電話の「話し中」を絶対に避けるために、電話帳登録者からの架電は全て切った
昼前に、女性の声で電話があった。非通知ではない覚えのない番号だ。
「もしもし、お手紙の…
「はい。解ります」私は息急いて答えた。「ああ良かった。私、アヤと申します。この度は…」
「いえいえ、そんな堅苦しい。私、健です。高倉健の健です。」「はい。彩、いろどりの彩です」
「いいのかしら、お言葉に甘えて」「何がです?」
「奥様から叱られません?」「あはは…私、単赴
単身赴任ですし、ご心配しないで下さい。ランチくらい」「あ、そうだったんですか。単身で…」
「和、洋、中。何がお好きですか」「いいのかなぁ。私何でも。どこか郊外のレストランでも…」
進捗率 90%?