あの時分はまだ土地の有
力者がそのまま政治家に
なり土地の経済も総て握
っていた頃だった。
俺は中学でもトップの成
績を上げていた。
しかし通信簿はいつもビ
リに近い評価賞状貰うの
はアホな有力者の子供ば
かり俺の家は母子家庭の
貧乏を絵にかいたような
家、だから子供心にわか
ちゃいるけど半ぐれ状態
喧嘩三昧の毎日だけど意
地があるからテストだけ
は一番とってやると秘か
に勉強した。そんな俺を
理解してくれたのが正義
感の強いいい女小島先生
俺は恥ずかしがりだから
いつも小島って呼び棄て
にして先生の正義感の不
甲斐なさを判らせていた
つもり、そんな先生と夏
休み急にあった。先生が
有力者の妾女だと不良友
達から聞いてプッツンし
た俺は先生の家に押し掛
けた。先生は優しく何時
もの甘い香水のような香
りを漂わせて西田君良く
来たね。といいながら横
並びに座ったから急にド
キドキ胸がなりだした。
今日は母留守なの。先生
はお母さんと二人暮らし
は情報がはいている。
西田君貴方怒ってるんで
しょ。私が崎田さんの妾
だから………吃驚した。
先にアッサリ言われてし
まった。
だけどね、母と私二人給
料だけで食べていけない
の。東京の弟にも仕送り
しなきゃいけないしね。
先生は笑いながら涙を流
していた。俺も泣いてい
たら先生が俺の胸にしが
みつき鳴き声を上げて泣
きだした。