三限目
「よし、それじゃあ英語始めますよ〜。といっても、最初なんでね。軽く流れを説明してくから」
深華は松本を見て、頬を少し赤らめている。
「まず一学期は…───」
やっぱり、松本先生カッコイイ…。いくつなんだろう…。25くらい?やっぱ彼女くらいいるよね。…そーだよ。いないわけないじゃん。あー…見込み無しかぁ…。
深華が一人で百面相していることに松本は気付いたが、何も言わなかった。
キーンコーン
「じゃあ次からはレッスン1に入るから。よ〜し昼飯だぁ!(この高校は、三限の後に昼休み)あ、号令いらないよ」
そう言うと、松本は深華の席にくる。
「なんか悩み事?クラスに馴染めないとか?もしだったら後でLL準備室においで。話聞くからさ」
優しく微笑む松本。深華は赤くなり、
「はい…」
と、一言しか言葉に出せなかった。
松本が教室を去ると、遥が深華の肩をつかんだ。
「行っちゃ駄目だよ深華!」
「…どして、良くないって決めつけるの?まだよく分からないうちから。見た目で判断してるの?」
「…まぁ。確かにね、見た目で判断するのは良くないけど、深華は騙されやすいから…」
少しうつ向く遥。深華は少し笑って
「ありがとう。でも私ももう子供じゃないから大丈夫だよ。でもお話しはしてみたいから食べた後行っても良いでしょ?」
「んー…まぁ他の先生もいるだろうから大丈夫か…」