昼御飯を食べ終わり、LL準備室の前に立っている深華。意を決してノックする。
コンコン
「はい」
松本の声だ。カツカツと、ドアの方に向かってきている。
ガラッ
「おぉ桜井。もう食べたの。まぁ入れ」
「失礼します」
松本はとっくに食べ終り、机で仕事をしていたようだ。周りを見ると他の先生が見当たらない。
「あのぅ、先生。他の先生は?」
「ここにいるのは俺と坂井先生だけなんだけど、坂井先生は今日は休みなんだ。広くて良いだろ」
「あ…そうですか…」
二人っきりというシチュエーションに困る深華。そんな深華に松本が声をかける。
「まぁここに座りな」
ソファーに座り、向かい側のソファーを指差す。深華が急いで駆け寄り座る。
「あ、悩みって?」
「あ、って何ですか(笑)」
「目的を忘れかけてた、ごめん」
「あはは!まぁ良いですけど。あの、なんとゆーか、悩みってゆーか、あの、え〜…私、好きな人がいて、それで考え込んじゃってて…」
「あ、恋愛の悩みか。ちょっと苦手だなぁ…」
「え?何でですか?」
「恋愛とかしたことなくてさ」
「えぇっ?!!」
「…なーんつって。信じた?駄目だよ〜、そんな簡単に人信じたら〜」
「なんだぁ、嘘かぁ」