当然、俺はリイチと距離を取りながら案内されるがままついていく。
脳内活動は活発化してるんだけどね。
…俺、なんかあんなことされるよ〜なことしましたか?
リイチの後ろ姿に問うてみても虚しい…。
リイチは気にもしないで
ここが食堂で…だの、この道が近道だの言っている。
ハイハイ、解りましたよ
あんたの思考回路以外はさ、と心の呟き。
「はい、ここが我が翔花高校の寮舎です〜、よろしくね」
ね、の語尾にメールならハートマークつけてる感じが嫌だ。
むかつく!
「はあ…ど〜も」
「でね、僕らのスイートホームは二階の3って番号ふってあるの」
す、スイートホーム…。
俺の脳裏に亮二とリイチが絡み合うえげつない絵面が浮かび赤面した。
ばっかばかしい!
んなわけあるか!!!
一人で首をブンブン振ってる俺を面白そうに見つめているリイチを見返し悪態をついてみる。
「何だよ!…み、見てんじゃねえよ」
どもった。
…はあ…(;´д`)
リイチは器用に片方の眉毛を上げて唇を歪めて笑った。
「見られたい癖に」
「…はあ?いや、はあああ??」
何?
こいつもしか電波系?
めっちゃ意味不明!!!
で、呆気にとられている俺を放ってリイチは寮舎の戸を開け消えてしまった…。
お父様…俺、イギリスに行きたいです…。
俺は殆ど涙目で、悪魔の城の扉を開いた…。