食堂は混んでいた。
軽〜くリイチの告白を流したリョウは、俺とリイチを引き連れてご機嫌だった。
「リョウはね、食べてりゃ幸せなんだよ」
そっと耳打ちされ、そおなの、とか呟きながら内心激しく動揺する。
なんで俺ばっか意識してんだよ。
二人ともケロッとして。
食堂は良い匂いで充満していた。
寮舎での生活費は食費も込みなのでワザワザお金を用意することもないから楽だ。
その上、かなり豪華だし…やっぱり親父についてかなくて良かったかな。
などと食べ物目の前にして意見変える薄弱な俺。
山盛りにもった、サザエさんちの茶碗みたいな白飯が置かれたプレート、熱々のチーズハンバーグにトマトと豆腐のサラダ…これまた山盛り、を目の前にリョウのテンションが明らかに上がっている…↑↑
「優輝、ここの食事は最高だぞ〜(笑)食いきれなかったら俺によこせよ、な?な?」
「そんな盛ってんのに」
思わず笑う。
なんかチャラくて顔だけいい奴なイメージだけど中身は全然違うし。
…ま、リイチもだけど。
ほかの寮生らが次々とリョウやリイチに話しかけついでに俺にも興味深い目を投げてくる。
なんとなく…リョウって人気あんのかも。
ま、気さくだし。
ガツガツ漫画みたいにかっこんでいるリョウを見てると、ん?と怪訝な顔で見返された。
馬鹿みたいに幸せそう。
「リョウ、ソースついてんよ、口端に」
んあ、と生返事。
…あれ?
隣に座っていたリイチが俺を見つめている。
「な、なに?」
ハンバーグの味が一気にわかんなくなる。
なんか、食べんの恥ずかしくなるだろ〜が…(涙)
「リョウのこと見ないでよ。気になる」
…っっ(汗)
どうゆう…。
リイチの幼げな顔が寂しげに見えて、俺は一瞬、虚をつかれた。
「どうゆう意味」
かろうじて聞こえる声。
「好きって言ったよ、僕…桜のこと」
お〜い〜、勘弁してよ〜
いま、言うか、それ(>_<)
「あ〜、き、聞いたけど…からかってんだろ。会ったばっかだし、俺…男だしさ」
リイチはつつくようにしていたフォークを置き、俺を見つめた。
それから…ニヤッと笑って俺の膝に手を滑らせた
「本気だよ?」