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パーティー [2]

茉莉子  2009-07-19投稿
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「それでは、こちらへ」と鏡の前の椅子に案内してくれた。
それから二時間半の後、私は変身した。
ヨシ君のカットが終わったのを見たアケミさんがそれに合わせて施してくれたメークもアイラインと顎の部分に手を加え、イメージを変えてくれた
私は満足した。
オーナーも二人を褒めたあと、私に向かって「素敵、若返りましたわ!」
笑顔で送り出してくれた
時計を見ると11;00を指していた。
私は博多の繁華街、天神をウインドウショッピングし、お茶をして、遅いランチをしたのだった。
私は多分、昨日までの私から変身した異常な精神状態だったと思う。
ワクワク、ドキドキして独身時代に返った気分だった。…店を出てからずっと背中に視線を感じていたことに気付いた。

レストランを出た時、その男は私に近づいて来た「こんにちは!私こう言う者です」と名刺を差し出す。私は受け取らずに覗き込んで読んだ。
【柏木芸能フォト】
九州地区担当
宮本〇〇
と読めた。
「宮本さん?。…私に何か?」私はそれとなく身なりを確認しながら尋ねた。名刺を摘んだ指先は細く長く、清潔だ。
上下揃いのスーツに白のカッターシャツ、ネクタイのセンスもいい。

「不躾ですが、写真を撮らせて頂けないかと思いまして…凄く素敵な方で…美容院を出られてずっと見とれていました」
「写真?ですか?どんな?何に使われるんですか、こんなオバサンの写真を。ここで撮るの?」
私は内心、まんざらでもなかった。美容院で変身したこともあり…

レストランの駐車場に停めてあるワンボックスカーを指差し
「いえ、いえ移動スタジオ。…車ですけどね、お礼はさせて頂きます。今全国で素敵なレディの発掘キャンペーンを展開中でして。…是非お願いします。今日は九州が重点地区でして…この後、全員が写真を持って集まりパーティーを開くんです私はまだ魅力的な被写体が見つからず困っている所なんです。是非お願いします」

美容院を出た直後、まだヘヤーもメイクも乱れてないこともあったし、暇でもあった。ましてや美容院のヨシ君と宮本さんがグルであることも、車内で奨められた清涼飲料に催淫剤が混入されていることなど知る由も無かった。

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