ぶっちゃけていうと。
俺は次の日、昨日の行為の代償からか、ある部分が痛かった。
が、そんなことはいい。
問題は…リョウだ。
俺は正式にリョウに告られてはいない。
時々されたり、したりしていたキスも、深い意味があったのかは解らない…ただ、友情だけではないことは確かだ。
俺自身、時々リョウに惹かれていた。
利用していたんだろうか…俺は辛さをリョウで誤魔化していたのかな。
俺、最低だ。
俺は、休み時間にリョウを呼び出した。
温い風が吹く屋上で、リョウは空を見ていた。
俺が来たのに気づいて、嬉しそうに笑う。
痛いよ、俺…。
「良かったな、ユウキ」
…?
きょとん、としてリョウを見上げた。
「リイチと…その、結ばれた…んだろ?」
血が登って、引く。
口の中が乾く。
み…みていた?
「お前らがいないのに気づいてさ…ごめんな、見ちまってさ。でもチラッとみて、引き返した」
「リョウ、俺…」
リョウは寂しげに微笑んだ…茶色い髪をかきあげて。
「ふられたな、俺」
その一言が痛くて、俺は…目を逸らした。
「ごめん…俺、最低だよな… リョウの優しさを利用したんだ」
リョウが笑う。
「たとえそうでも…いいさ、別に。俺は…お前が今、幸せなら」
痛い…。リョウのこと、リイチとは違う部分で好きなんだ。
でも…二つは手に入らない…そして、どちらかを選ぶなら…もう答えは出ているんだ。