『泣くのを堪える子供』
本当にそのままだ
デカイ図体のクセして、眉毛をハの字にしてる男
何でお前が…
許してしまいそうになる。
今、謝罪の言葉でも言われたら、
―引き戻せない。
…っ
俺は必死で立ち上がりその場を去った。
扉が閉まるのと同時に何か言われた気がしたけど必死で掻き消す
そのままトイレに向かってとにかく顔を洗った
「…はぁ…っ」
途切れる呼吸を落ち着かせる為に息を整える
すっかり落ち着いた下半身に目を向けるとチャック全開な事に気付き慌てて閉めた。
ハっとして鏡を見ると上だいぶ乱れてて、其処に普段見慣れないものが目に付く
キスマーク、
「・・・ッ!」
俺はそれを隠すように手で首を絞めた。
アイツ・・・っ
一瞬怒りが頭を支配したけど、次にきたのは恐怖。
本当に犯されてたかもしれない
のに
俺は自分を疑った。
また、下半身に熱が集まってくる。
―初めて自分以外に触られたから
そうかもしれない。・・・そうであってほしい
じゃないと本当におかしいのは俺だ
あいつの事ばっか出てくる。
息が苦しい…
さっきの表情を想い出すだけで心臓が痛いくらいに絞めつけられて…
鏡に映った自分は見たこともない顏をしてた。
「あんた、俺に何したんだ・・・」