部屋に入って、あたしはお気に入りのCDをかけた。
音量を上げて、ママの帰宅をパパに悟らせないように…。
パパは不思議そうな顔してる。
「周りを気にしないで声をあげられるでしょ?」
と、言うと納得した。
あたしをベッドに寝かせ、バスタオルを取り去る。
今度はさっきと違う。
優しくて、蕩けそうなキスから始まる。
あたしの全身に唇を這わせ、欲望に火を点ける。
そして、充分濡れてるのを指で確かめて、中にに入ってきた。
「あっ、あああん!」
あたしは大袈裟に喘いだ。
パパは、腰を遣いながら、唇を吸う。
大人に成り切っていない乳房を愛撫する。
あたしは愛撫に溺れていく。
計画のことなど、どうでもよくなってきて、パパに夢中でしがみついた。
「ああ、いいっ!いいの!すごく気持ちいいっ!」
「千絵!パパも、すごく、いいよ!」
パパに合わせて、あたしも腰をくねらせる。
ホントに素敵…。
あたし、溶けてしまいそう……。
その時、あたしの耳に、玄関の開く音が、微かに届いた。
ママが、帰ってきた!
あたしの心臓が、早鐘を打つ。
どうなっちゃうんだろう…。
でも、もう引き返せない。
ママが、廊下を近づいてくる気配。
部屋の前で止まった!
きっと、パンティーを見付けたはずだ…。
ごめんね、ママ。
でも、あたし……。
あたしは、罪悪感を振り切るように、大きな喘ぎ声を上げた。
「あああんっ!いっ…いいのぉ!パパのおちんちん、すごくいいよぅ!」
パパは全然気付いてない。
「千絵!どこが、気持ち、いいんだ!」
「お、オマ☆コよ!オマ☆コ気持ちいいよぅ!」
ママが立ちすくんでる?
もうすぐ、扉を開けてあたしたちの姿を見る!
でも…。
ママは入って来なかった。
部屋から離れていく、微かな気配…。
玄関の扉の音…。
ママが、出て行った?
まさか…。
「千絵…?どうかしたか?」
パパが動きを止めて訊ねた。
「ううん、何でもないの。ねえ、もっと…、して…」
あたしは不安を隠すように、おねだりをした。
その夜から、ママは帰らなかった。