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遍歴 『智子(最終回)』

CORO  2009-07-25投稿
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ほとんど毎日、智子とは愛し合った。

たまに会えない日があると、不安と苛立ちで、気が変になりそうだった。

色んな妄想が、頭の中で渦巻く。

智子と結ばれたとき、彼女は処女ではなかった(と思う)。

もし、そうだとしたら、相手は一体誰なのか?

今でも関係があって、会えない日は、その男に抱かれているんじゃないか…。

嫉妬で、胃が痛くなる。

過去の人だとしたら…。

ありえない。
彼女も中学一年だ。
ってことは、小学生で初体験??


それに、避妊のこと。

正確な知識はないけれど、避妊をしたことはないし、智子から求められたこともない。


それに、いつ行っても、親や兄弟に会ったことがない。

心の中は、数え切れない『?』が飛び交う。


明日こそ、聞いて見ようと決心しても、顔を見ると、聞きそびれてしまう。

何も聞かないで!

智子はそんなオーラを放っている。


春休みになると、僕は智子の部屋に入り浸った。

一日中、肌を触れ合って過ごし、夜になると自宅に帰る。

三月の末日。

智子の身体を堪能した僕は、何気なく言った。

「今度クラス替えになったら、一緒になれるかなぁ」

当然、
「そうだといいね」

そんな返事を期待していた。

しかし智子は

「さあ、無理なんじゃない?」

と、素っ気なく答えただけだった。


4月に入って、僕は二年生のクラス発表を見に行った。

始業式にクラス発表をする学校が多いらしいが、
僕の通う中学では、その前日に張り出されることになっていた。

僕の新クラス二年A組に、智子の名前はない。

まあ、5クラスもあるんだから仕方がない。

諦めて、他のクラスの名前を確認した。

しかし、何度確かめても、智子の名前はどこにもなかった…。

僕は公衆電話に走り、智子の家にダイヤルした。


聞こえてきたのは
「この電話番号は、現在使われておりません…」
のメッセージ。

智子のマンションに走った。

何度呼び鈴を押しても、ドアが開くことはなかった。

それ以来、智子には逢っていない。

彼女がどこでどうしているのか…。


今でもわからない。

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