ほとんど毎日、智子とは愛し合った。
たまに会えない日があると、不安と苛立ちで、気が変になりそうだった。
色んな妄想が、頭の中で渦巻く。
智子と結ばれたとき、彼女は処女ではなかった(と思う)。
もし、そうだとしたら、相手は一体誰なのか?
今でも関係があって、会えない日は、その男に抱かれているんじゃないか…。
嫉妬で、胃が痛くなる。
過去の人だとしたら…。
ありえない。
彼女も中学一年だ。
ってことは、小学生で初体験??
それに、避妊のこと。
正確な知識はないけれど、避妊をしたことはないし、智子から求められたこともない。
それに、いつ行っても、親や兄弟に会ったことがない。
心の中は、数え切れない『?』が飛び交う。
明日こそ、聞いて見ようと決心しても、顔を見ると、聞きそびれてしまう。
何も聞かないで!
智子はそんなオーラを放っている。
春休みになると、僕は智子の部屋に入り浸った。
一日中、肌を触れ合って過ごし、夜になると自宅に帰る。
三月の末日。
智子の身体を堪能した僕は、何気なく言った。
「今度クラス替えになったら、一緒になれるかなぁ」
当然、
「そうだといいね」
そんな返事を期待していた。
しかし智子は
「さあ、無理なんじゃない?」
と、素っ気なく答えただけだった。
4月に入って、僕は二年生のクラス発表を見に行った。
始業式にクラス発表をする学校が多いらしいが、
僕の通う中学では、その前日に張り出されることになっていた。
僕の新クラス二年A組に、智子の名前はない。
まあ、5クラスもあるんだから仕方がない。
諦めて、他のクラスの名前を確認した。
しかし、何度確かめても、智子の名前はどこにもなかった…。
僕は公衆電話に走り、智子の家にダイヤルした。
聞こえてきたのは
「この電話番号は、現在使われておりません…」
のメッセージ。
智子のマンションに走った。
何度呼び鈴を押しても、ドアが開くことはなかった。
それ以来、智子には逢っていない。
彼女がどこでどうしているのか…。
今でもわからない。