「なんだかあたし、お腹すいちゃった」
私のキスから解放されて、真美が言う。
時計を見ると、もう12時を回っている。
「そりゃそうだよね。真美、また朝ごはん食べてないんでしょ?」
真美がぺろりと舌を出した。
「だってぇ、ちょっとでも早く、せんせいに逢いたかったんだもん」
頬を膨らませて、
拗ねて見せるのが、愛くるしい。
「わかってるよ
だから拗ねないで。私は真美が心配なだけ…。
これでも、一応は医者なんだからね」
真美は、すぐに機嫌を直して、
しな垂れかかってくる。
私は、ほのかにシャンプーの香る髪に、顔を押し付け、深く息を吸う。
鼻孔が、真美の香りで充たされる。
私の芯から、
また新たな蜜が溢れ出す。
ご飯なんていらないから、
このまま、真美と愛し合いたい…。
けれど、欲望を押し殺して、真美に言う。
「さあ、真美。キリがないわ。
先に何か食べましょう」
「はぁい!
せんせい、あたしが作ってあげるよ」
真美はベッドから飛び降りて、
キッチンに走っていく。
ぴょこぴょこと跳ねるお尻が、子供っぽくて愛くるしい。
後ろ姿を見ていると、
真美がまだ高校二年生であることを、
あらためて思い出す。
わたし…、罪なことしてるよね……。
ちょっとした罪悪感をに苛まれながら、
私もベッドから抜け出して、リビングに移る。
キッチンでは、
素っ裸にエプロンだけを着けた真美が、
「ああっ!」とか
「やだぁ!」って
奇声を上げながら、
何やら格闘している。
「真美、そんな格好で、ヤケドしないでよ」
「うん!わかったぁ!」
返事はいいんだけれど、
危なっかしくて、
見ていられない。
あんなキレイな身体に、ヤケドの跡でも付いたら大変。
結局、
私も真美の横に立って、オムレツを作り始めた。
「もうっ!あたしが作るって、言ったのにぃ…」
真美がまた、頬を膨らませる。
「だって、二人で作ったほうが、早いじゃない?
早く食べて、
デザートに真美が食べたいの…」
耳元で囁き、
膨らんだ頬にキスしてやると、
たちまち機嫌は直った。