突然のケータイの呼び出し音♪♪♪…♪♪♪
時計を見る…午前２時！
「もしもし…ひろや？もしもし」那須先輩の声。
「ヒロヤです…いつ何処に、何時に？」
「メモは一切するなよ！頭の中に叩き込め！一度しか言わん！…明日金曜、白金の東都銀行東口支店前路肩駐車場26番に……19;00だ…顧客ランクはＡだ。報酬は150…取り分は半額明後日口座に入れてやる。残金は成功報酬。以上だ。疑義は？」…事務局長らしい物言いだ
「…で、書き込みメールの内容は？」俺は尋ねる
「いいか？読むぞ！『求む！現役Ｔ大生orＫ大生で血液型Ｏ型、医学生限定募集。性交渉による精子提供可能な者、委細は面談による』…メールは以上だ」プツン。電子音。電話が切れた。
俺は、事務局が発行した関係書類の入った茶封筒を小脇に挟んでカジュアルな…清潔感だけは保った恰好で、その日、その場所に 約束の20分前着。俺のバイトは、種馬！
つまり、欲しくても訳があって子供が授からない女を抱いて受胎させるのが仕事だ。バイト代は契約金額の三分の一。
事務局長の那須さんはＴ大法学部で10年に一人出るかと囁かれている秀才である。日本は当然、米国、ドイツ、イギリスなどの法律にも秀でている
…それに、後輩達を引き付けて止まない魅力が彼にはある。甲子園を沸かせ、プロ野球界垂涎の高校球児だった。
不公平な天は那須先輩にニブツを与えた！いや、イケメンだから三ぶつだ
今、四年の那須先輩が一年の時、このサイトを開設して、四年生までを組織したらしい。この闇を流れる噂は当大学に止まらず地方の国公立大学までメンバーを集め、北海道から九州まで地域の要請に対応出来る体制が確立されている。
この茶封筒の中には那須先輩が最悪の事態に法的に、裁判にでも対応できる「同意書」が入っている。これから会う今日の依頼主がこれに記名捺印すれば…種馬達は何の心配も無く、女の膣に射精出来るということだ。
「ひろや、俺が見込んだお前が次の事務局長だ」「！いいえ。医学部の俺には務まりません」との会話を以前交わした関係でもあり「ひろや、ヒロヤ…」と何かと可愛がってくれる仲だ。俺が高校球児で甲子園での事も那須先輩は知っている…。
俺の目の前に女が運転する白い外車が止まった
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