「それと、ひろや君、この事は、絶対に人には洩れてはならん秘密事項だ…場所は、私たちの寝室でいいだろうか?…オモチャとかも…あるし…」
男が俺に聞いてくる。
「場所は構いません。ただ、奥様とのセックスは誓約書に詳しく書いてありますが一回で、私が三度射精します…ベットを汚すかも知れません。ホテルでもいいですよ」
俺は事務的に言った。
「う〜ん。だいたい理解した。…まとめれば、前金で半額この口座に振込み。残額は妻の受胎を見て、と。あと、日を変えて五回のセックス。一回に三度の射精。場所は家の寝室、妻は淫らに淫乱に…私にもセックス現場を見せてくれる、と。…
こういう事でいいのかな洩れてはいないかな?」
男は交渉経過を自分でまとめて俺に確認した。
「はい。結構です。洩れてる部分は誓約書のとおりということで。
半額を前金で、という部分は恐縮なのですが。私も経費がかかります。いい物を食べて、元気な精子を奥様の子宮に送らないとならないし…大変ではあるんです」
俺は恐縮して見せた。
「おお、そうか、そうだな!亜紀、ひろや君にいっぱい美味いものをご馳走するといい!…事前に食べて貰って。元気のいい優秀な精子を頂こうじゃないか亜紀。…それと寝室に手を入れて雰囲気のいい部屋に変えてな」
男が言い終わらない内に何処かでケータイの呼び出し音が鳴った。女が男にケータイを差し出す
「あなたにお電話です」
男は引ったくるようにとると(…15分で着く)
短く伝えてケータイを返した。
「ひろや君、これから私は会議だ。後は亜紀とゆっくりして欲しい。亜紀、好きな物を食べて貰ってくれ!…なんなら場所、変えるといい…」
男はポケットから違う眼鏡を取り出し、掛け変えると、誓約書二部に記名捺印して女にも記入するように指示して、椅子を立った。
「あっ、そうだ。ひろや君、いつセックスするかとか、セックスに必要な事は全て亜紀と相談して
進めて貰っていいからね
二人でコミュニケーションを深めて…」
俺の返事を待たずに男は部屋を出ていった、女もそれに従っていく……。
俺が冷めたコーヒーをすすっていると5分もせずに女が戻って来た…。
「ごめんなさいね!新ためまして主人が院長で私、事務長の亜紀です」
女が名刺を差し出した