あたしは殺伐とした戦場跡の中、目を覚ました。
ゆっくりと起き上がると、目の前には何も無い大地が広がった。
スクール水着の少女達の死体(実際には死んではいず、気絶しているだけだが、あたし達トリプルSはこれを死んだという)で大地を覆い尽くしていた。
「…基地に帰らなきゃ」
あたしは横たわっているスクール水着の少女達を踏み歩きながら、ゆっくりと基地の方へ歩いていった。
やがて基地に着いた。
基地の城壁には我らブラック・ウィンドの旗が掲げられている。
黒い竜巻の旗だ。
基地の前に着くと、門番であろう隊員が二人いた。
「何者だ!」
門番が銃を構えて叫んだ。
顔が幼い、まだ13だろうか、口調や焦りようからみて、新米の隊員だということはわかる。
あたしは
「あたしはブラック・ウィンドの隊員、真由美よ。今帰還したわ。」
といった。
すると相手は安心してあたしを基地の中へ案内してくれた。
そして士官室に案内され、部隊の出席簿のようなものにチェックをつけた。
出席簿には、「真緒隊・第2部隊ー真由美ー死亡」
と書いてあった。
あたしはそれを消して、「帰還」と書いた。
こうしてあたしの初陣は華やかな死亡で幕を閉じたのだった。