鹿児島までのドライブを貴子に告げた。
目的は大学生の競泳にメンバーの一員として参加する。…と告げてあった
貴子は強行スケジュールは嫌だと言い、結局、一泊二日の行程にした。
外泊することに関しては国体への強化選手となっていた事も既成の事実だから夫も快諾してくれたらしい。
大学内での水泳に関するスケジュールについては私が担当する、それ以外の行程は貴子に一任した
大学には私の先輩が居る
この先輩とは深い繋がりがある……
私は大学時代、ソウルオリンピック金メダル鈴木大地に憧れて、背泳ぎを泳いでいた。
ユニバーシアードという国際大会がある。
このユニバには学生のみ参加ができる。二年生で私は世界大開に出場した
世界では通用しなかったが日本記録は出した。
コーチと二人三脚で練習を積むのであるが、実は私のコーチは当時、有名であったため多くの選手を抱えていた。
コーチは更に実績を上げようとする焦りから、選手に理不尽な「練習」を強制してくる。
選手の中に、マスコミも騒ぐ美人スイマーがいたが、いわゆるコーチと女性問題を起こす、記録保持者、私のコーチと言うことで、ひょんなことで関係のない私もそれに巻き込まれる。
いつの間にかコーチと私が入れ代わり、その女と私の問題にすり替えられたのだ。連盟を巻き込む事件に発展、だが、マスメディアに「実は、こうだったのだ！」と嘘リークしたのがコーチだったことが判明する。結局、連盟から弾き出されるのであるが、その時、私の側で理事会で動いてくれたのがこの先輩である。
河童でしかなかった私に「お前はコーチを目指せ」と言ってアメリカやオーストラリアなどに短期留学の道を開いてくれたのだ。卒業後、今の会社に売り込んでくれた。
スポーツ関連機器のメーカーである。で、この種ジムはお得意さんで、このクラブにも殆どの機材を納入させて貰った。
この大学の機材もである
貴子の泳ぎを全てに記録し、欠点をピンポイントで短期に補強するのだ。
ハイクラスの機材はこの大学にしかない。
貴子にはそこまで詳しくは話してはいない。
従って彼女は気楽なものだった。
「コーチ、朝までね？…一緒に…居られるのね、
ふふふ…ときめく！」頭には観光マップのみだ
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