好きな物は、バイク、仲間、大槻先輩(俺に、バイク教えてくれた人)。
嫌いな物は、テスト、先生、風紀委員長。
生徒指導室。
何で、いつも俺だけなんだ?
俺は、目の前の風紀委員長を、睨み付けた。
「2年1組。香月陸斗(かづき りくと)君。いつになったら、金髪を、黒に戻してくれるのかな?」
風紀委員長が、眼鏡を押し上げて、口の端を上げて、意地悪く、笑う。
「今、一緒に登校して来た奴ら、みんな金髪だったと、思うんだけど?」
「他には、興味がないんだよ…分からない?」
「分かるわけ、ないだろ?」
いつも、そうだ。
いつも、俺だけ週一回の服装検査で、引っ掛かって、こうやって生徒指導室に、つれて来られる。
「そう…分からない…か」
「もう、行って良いだろ?」
「えぇ。髪の毛、黒にして来て下さいね」
いつも、同じ会話して、別れ際、風紀委員長は、寂しそうに笑うんだ。
何だってんだ?
まったく?
俺は、生徒指導室を出ると、教室には行かず、いつもの場所へと向かった。