猛は又、ウインカーを点けて路肩に停めた。
「先輩…なんで、すか」
猛は志乃を見た
「ごめんなさい!勝手言って」二人で黙って見つめあった。通じあった!
やがて猛はケータイを開けて、次長に今日、店に帰れないこと、明日、半年振りの有給休暇を取る旨、連絡を取った。
車をスタートさせた猛は次の信号で又、Uターンさせた。黙々と車を走らせた。
太平洋側に抜けた海辺のホテルに車を入れた。
リクライニングを起こした志乃は猛の腕を掴んで
「猛さん…犯すように…して!…ううん。犯して!…激しく罰を与えて」
と志乃は言った。
「私…私、何にも罰を受けてない!…何か、私の体に…罰を受けた跡形を残して!…責めて私を」
そう言う志乃を残して猛はドアを開けて無言でフロントまで歩いた。
ルームインフォバネルの前で志乃に言った。
「志乃さん、どうしても納得出来ないんですね?
私にはそんな趣味はないけど…責めて欲しいならこれとこの部屋がSMルーム、ここはハードSM…これが野外放置プレーの部屋…それ以外はノーマル。 志乃さん、自分で選んで」
ランプの点いている空部屋を志乃に見せた。
志乃かパネルを覗く……
「これは…どう使うの」
志乃が指差して尋ねる。
「それは、天井から吊される。これは張り付けに縛られて…これはエッチな椅子ですね。放置部屋は恥ずかしい姿を人から見られるって書いる…」
暫く迷った志乃はSMルームをプッシュした…。
エレベーターで五階で降りて部屋に入ると、カーテンの閉まった薄暗い部屋だった。最近オープンしたらしく部屋そのものは新しい。
目を馴らして、テーブルの上をみると「SMルームご利用のお客様へ」という注意書きパンフがあって、使用機材の持ち込みは法律て禁止されています。必要な方はフロントまで」と書かれていて
A、B、C各セットが写真つきで載っている。
これも志乃に見せると、志乃は一番高価な15000円のセットを選んだ。
届けられた袋を開けて見ると、色んな物が出てくる…ロープ、ローソク、鞭、ローション、イチジク浣腸、中には剃毛セットなどもあった。
猛は使い方の判らない物がほとんどだった。
ベットと並んだ奥に、電動でビッチング、ローリングをする鞍の乗った木馬があって、鞍の中心に穴が開いている。バイブを上向きに突き刺し女が跨がるらしい。志乃の顔が紅潮していた。