ラブホテルのSMルーム …ベットの脇のテーブルにぶちまけたSMグッズなる品物を前にして、猛は全く別のことを考えていた…。
ショッピングセンターの店長である自分は、立場上だけでなく性格上、「清潔」ということに関しては人一倍気を使って生きて来た。
毎朝の全体ミーティングでは、女性店員の極端なネイル等は禁じたし、男性店員の身嗜みには特に厳しく接した。
中でも、長い男の爪を見ると吐き気がするのだ。
その爪の間に汚れが溜まっていた時などは尚更である。ムカついてくる。一日中、気分が悪い!
潔癖症の部類だろう。
…それにしても、この志乃という女!
これを本当の純真、潔癖というのか、いや無知なのかも知れない。
自分が犯した万引きの罪を償いたい。そのためには強引に体を犯されてもいい。そして自らこの部屋に決め、このグッズを選んだ女。…?!
ここはラブホテルでありこの部屋は快楽を得こそすれ刑罰を与える場所ではないのだ。
この女はもしかして…俺をからかっている?
本当はSM趣味のある淫乱なM女?か?
それにしては、この雰囲気の中で興奮している様子は女には見られない。
猛は思わず苦笑した。
猛は、どちらかといえば絶対にS性格だが、SMプレーの経験は無かったし、その趣味もなかった…まして、目の前のグッズは使い道も知らない。
バイブや電マはともかくとして………。
「志乃さん、これは…止めましょう!…普通に…ノーマルにエッチしょ?たっぷりと。…ね?」
「何故?…エ、エッチは…セックスはセックスで構いません。して下さい…でも、償いは…しないと。…その後、抱いて下さい。綺麗な身になった後、ね?猛さん」
志乃は真剣な顔で言う。
「でもね志乃さん、例えばこれ、男の髭剃りじゃないんだよ!志乃さんの恥ずかしい所の毛を剃るんですよツルツルに!…これはムチ!…これで叩かれたら、体に痕がつく…これだって…浣腸!下剤、下剤だよ!志乃さんのお尻から突っ込むんだよ!…天井からぶら下がる?いいの志乃さん?」
猛は段々、腹立たしくなり、言葉も荒くなる。
「はい。…それが…それが済めば、それを受ければ、私は罪を償えて…綺麗な身になれるんでしょ
?全部、使って…私を…綺麗にして!そ、剃って
痕をつけて!…構いません!綺麗になりたい!」
志乃は真剣に訴えて来る