薄暗い店内にうねる肉の群れ…。
ピンクの灯りと、ズン!とビートの効いたBGMが扇情感を掻き立てる。
白く浮かび上がる女の腕が、脚が、黒い男の肉体に纏わりついて官能に震えている…。
うちは、それらを茫洋と眺めながらその場に立ち尽くしたっちゃ。
「どうしたね、澪君」
ギュッとウエストを抱かれて、我に返ってうつむいたっちゃ。
「お義父様…こんな…こんなの…」
「デート喫茶とは、こういう事をする所なのさ」新潟の田舎育ちのうちが、こんな都会の風俗など知る訳ないっちゃ…。
うち、星河澪。結婚3年目の21歳。
愛しいダーリンが居るのに…何故か義父に、いかがわしいお店に引き込まれて、box席のソファに押し倒されたっちゃ。
「ああ…イヤイヤ…恥ずかしいっちゃ…」
「くくっ…見せ合って感じるのがここのルールさ…。何時もイヤイヤしながら断り切れない、恥ずかしがり屋の澪君♪」
「酷いっちゃ!お義父様がこんな事始めたのに…」
うちはキッと睨む。
「図星を指されてお腹立ちかな?」
そんな軽い口調で迫ってきたけど、
「親に逆らう悪い娘はお仕置きだな。」
髪を束で掴まれて、後ろにグイッと力強く引っ張られたっちゃ。
「うう…(涙)」
そして、ヒルの様な舌が首筋を這い上がってきたかと思うと、
"ツプッ…"
うちの唇を割って入って、口腔を汚しに掛かったっちゃ。
"ブチュブチュブチュ…グチュグチュグチュ…"
「ふんっ…むぐぐ…んんん…んくっんぐぐ…」
中年の口臭が混じる唾液にむせても、強引に重ねられた唇を離して貰えず、手足をジタバタさせたっちゃ。
「ぷはっ…はぁはぁはぁ…」
「ふうふう…ごほごほっ!」
義父は唇を離すと、うちの上に馬乗りのまま服を脱ぎだしたっちゃ。
「ふふふ…澪君が暴れるから注目されているよ?」
カッと恥ずかしさで頬っぺたが熱く成ったっちゃ。
「ふう…」
義父は、笑顔なのに眼鏡の奥の瞳は笑っていない、獲物を追う切れ長の眼がさらに細く、ギラリと光っているっちゃ。
"ゾクゾクゾクッ…"
背筋に熱いものと、冷たいものが交互に走るっちゃ。
「ふふふ…それで良い、それで…」
うちは、逃れられない運命に従う様に、顔をそむけて瞳を閉じた…。
ふた月前、初めて背徳の契りを結ばされ時と同じ様に…。
「そんなに息子との家庭が大切かね?…くくくくっ…」
うちの、閉じた瞳の奥から、ツツーッと熱いものが零れ落ちたっちゃ…。(?に続く)