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青 3

たま  2009-08-31投稿
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「あの。名前、教えて欲しいです。」


彼が俺の誘いを嫌がる素振りも見せず、むしろ嬉しそうに乗ってくれた。


更には名前まで知ろうとしてくれている。



「そう言えばまだだったね。…宮間 棗。君の名前は?」


嬉しくないはずがなかった。


「椎名 春幸です。
あの、マフラー…。」


「君にあげるよ。入らなければ捨ててくれていいし。」



「いります!!…ぁ、いや
捨てるの勿体ないし…。

ありがとうございます。」



少し照れたように顔を赤くして笑った。



あの日からずっと、
脳裏に焼き付いて離れなかった彼が、今目の前でくるくると表情を変える。



同じ男に対して持つべき
感情じゃないのは、十分
分かっている。



それなのに、どうもこの想いは止まってはくれないらしい。



「…春幸。」


自分でもどうして彼の名前を呼んだのかは分からない。

勝手に口から出ていた。


「!………は、ぃ。」


すると、少し驚いた後、顔を更に赤くし小さく返事をした。



何を口走っていたのだろうとハッとなり、思わず手を口にあてる。


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