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人妻たち ? (6)

 2009-09-09投稿
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「どこの誰かも知らない二人が出会って、名前も名乗らず。…あなたが私の夫、私があなたの奥様ね?…アキコさん、アキでいいのね?私。あなたはマサハル。…ぅふふ
このシチュエーションが楽しい!…子供みたいでもあり、大人のようでもあって…ぎりぎり妖しくて…いい、いい!」
女はビールに酔ったか、はしゃいでいる。
そして、車は代行運転で帰ればいい、ビールを一緒に飲もうと言う。

私は見えっ張りの性格だ「隠れチョイ悪」でなければならない。あくまでも表面上は真面目でなければならない。日曜日とは言え昼間から赤い顔をして社員住宅に帰るのも気が引けた…。
「いや、今日は酒は止めておくよ!アキが楽しけりゃそれでいいよ」
私が言うと、
「あれ−?あなた、今日は優しいのね。ぅふふ…いつもと違う。」
と女は笑いながら言った
「アキはどこら辺りに住んでるの?家は」
「あら?変な質問!私あなたの奥様よ。あはは、………私、空港方面。あなたは?……あははは」
「そうか、あははは!…私は太宰府近く。ここからだと同じ方向だ!送って行くよ!………ホント…何か、楽しいね」
私も乗せられたようだ。

「ねえ、あなた…今度はいつ帰ってくるの?」
「う〜ん、アキはどうして欲しい?会いたい?」
「アキ?…ぁぁ、アキとしてはね、もちろん、会いたい…あははは」
「俺も…会いたいよ!……あははは」
口では笑っても、だんだんモヤモヤした気分で、混乱して来て、微妙な雰囲気で会話が続く……。

ランチは二時間ばかりで終わった。
女の酔いも醒めかかったようだった。無口になった。私はトイレに立ってついでに会計を済ませた
「お言葉に甘えます」と女が言うまでにかなりの時間がかかった。
…どうしても支払う…と言い張った。

日曜日のR3号は混んでいて渋滞ぎみだった。
「ねえ、あなた。……あなたの話してくれた、杜氏さんの話、出稼ぎの話…どんな本でした?」
女が助手席で話し掛けて来た。
「ああ。『東北地方の民俗哀歌と歴史』だったかな…確か発行元は新聞社だったと思う」と教えた
「その話…判る気がします!…ねえ、暫くこのまま…ドライブしませんか…お話を聞かせて!」
「今夜は、ヤケにシバれるなや、高山、雪だんべ
こんな夜寒はお前を…

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