「近くにこんな公園、羨ましい!」
言いながら私は男の顔を見ると、髭は生やしているが鼻筋が通って、澄んだ目をしていました。
頭の良さそうなインテリ顔です。年齢は私より少し上だろうか、よく判りません。
「そうですね。助かっています。恵まれてます。私の家、案内しましょうか?何分もかかりませんよ、すぐそこです。お好きな本でもあれば…どうぞ。お持ちになって」
私は植え込みの先を覗き込むようにして見た。…この先に、公園の別の入り口があるのだろうか…
「どうぞ…こちらです」
男が先に立って歩き出したのです。
「ここです!どうぞ…」
私は一瞬、目を疑いました!…ツツジとツツジの植え込みの間に幾重にも段ボールを重ねた建物風にしつらえた物でした!大きな欅の枝が張り出して居て段ボール屋根にはビニールシートがかけられてはありましたが……
「こ、ここ?ですかお家!…これ、お家ですか」
入り口には暖簾と言うかカーテンと言うか、布が引かれていました。
床にはビールケースのような黄色いプラスチックケースが畳2畳程、敷き詰められ、30?程、かさ上げされていました。
「好きな本、ありますか、どうぞ、見て下さい」男は暖簾をめくって中を見せてくれました。
チラッと見ただけでしたが、厚い難しそうな本から文庫本までズラリと壁に綺麗に並べられていました。
「いえ!本は、結構です…それより、ここで…生活、されてるの?」
「そうです!夏の間は。不自由はしませんよ。…不自由と言えば…こいつが…淋しがります!」
男は何時のまにか、チャックを引き下げて黒いペニスを露出させていたのです。
最初、私はそれが何か理解出来ませんでした。
浅黒くて、茄子か何かかと思っていたのです。
判った瞬間、私はキャっと小さな悲鳴を上げて走り出していました。
その夜、私は朝方まで眠れませんでした。
結婚して12年、夫とのセックスは月に一度、あるかないか、ご多聞に洩れないストレスは抱えていました。
かと言って浮気は経験なく、今日、公園で見せられた男のモノは新鮮な驚きとして目に焼き付いていたのです。
恥ずかしいですが、夫のモノより遥かに大きく見えたし………あれが、大きく勃起したら、どんなになるのだろう!そんなことばかり、考え眠れなかったのです。