気分良く一限を終え、体育館へ向かう男がいた。
崎田河(サキタガワ)という教員だった。利葉にチョーク責めをし、バイブを仕込んだ男性教員だった。
崎田河は、体育館を元通りに掃除しているハズの男子生徒二人が、痛めつけられて両手両足を縛られ転がっていたのを発見した。
自分が想定していた光景とはひどく食い違っていた事から、崎田河は目を丸くした。
さらに崎田河は後ろから勢い良く殴られ、
あっさりと両手両足を男子生徒二人と同じように縛られた。
「ど、どーいうことだ!?何故、貴様、体育館にいる!?念のため今日は体育館を二限まで使用禁止に…」
長政が崎田河を殴りつけ、拳が崎田河の顔面を捉えた。
そのまま床に轟音をたてて崎田河の顔面が落ち沈んだ。
「なんで志乃川が犠牲になった?この話に志乃川は関係無いだろ。………答えろ!!!!」
「ぢ…違っ…私じゃ……」
「じゃあ誰だ!!?」
「し…知らない…!!本当だ!」
なぜ利葉を脅す話にまなみが巻き込まれたのか。
校長との話を盗み聞きしてしまった罰というならば、彼女を陵辱出来る人間は限られてくる。
事情も知らない男子生徒や崎田河らにここまでさせる必要は無い。
「校長が全部指示したのか…?」
「ああ、全部、校長が…本当…だ。」
恐れおののく崎田河からは何も情報は得られそうに無かった。
「志乃川、しっかり。」
裸体に精液を浴びるだけ浴び、出されるだけ出されたまなみは、長政から被せられたブレザーで汚れた身体を怯えながら隠していた。
一刻も早く体育館から逃げ出したがっている様子だ。
「村井くん…わたし……がんばったよ…橋那先生を守ったんだよ……。」
「ああ、先生も大丈夫だ。ありがとうな、誰か助けを呼びたいけど男性教員は全員…」
まなみは頷いた。
ひどく震えている。
「橋那先生以外の女性教員は昨日の放送にショックを受けて休みだし…元々女性教員が少ないからな。」
味方がいない。
吉城。
ここへ来る寸前、ほんの一瞬、吉城の声が聞こえた。
吉城なら。
まなみをおんぶし、長政は教室に戻った。
保健室の前を通ろうとした時、
吉城が不意に出てきた。