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輪廻  2009-09-17投稿
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長政は無意識に屋上に出ていた。

「結局お前の自己満足のためだったのか!?」

吉城の声だった。

誰かに話しかけていた。

いや怒鳴っていた。

「吉城!?」

長政の声に吉城はすぐに手を挙げ、制した。

「来るな!!待て!!!」

長政が屋上に上がると二人の人間のみがいた。
吉城と

「ヒカリ…?」

「長政、今日もあなたの肉じゃが、食べに行って良い?」

いつもの笑顔に思わず頷きかけたが、
先程の吉城の言葉が頭をよぎった。

「なぁ、ヒカリの自己満足って?」

「俺は…確かに共犯だ…だが、志乃川まで巻き込む必要は無かった!」

「な…何の話だよ?」

「ホントよ吉城、長政にも分かるように説明してあげて。橋那先生と志乃川さんを強姦させたコト。」

ヒカリの言葉の後、耳が聞こえ無くなったように何もかもが静かになった。

「ヒカリ、何言ってんだ?」

「橋那先生には、彼女のお兄様が私にした事を少し色を付けて体験してもらったの。」

ヒカリはひらひら手振りを交え説明を始めた。

「志乃川さんが巻き込まれてしまった理由よね。吉城にも分かるように言うと、彼女は長政にしつこく言い寄ってたの。一年生の時だったかしら。」

ヒカリは綺麗に笑った。
数学の証明を解く時、英訳を読む時、
あの得意気な口調だった。

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