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それでも僕は エピローグ

ねこ  2009-09-23投稿
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クリスマス当日。

僕らはお互い何となく緊張していた。
僕の寮部屋は他に誰もいない。
実家に帰ってるから。

「え〜と」

ほらな〜。
先輩が妙に「知識」をリイチ先輩から仕入れたりするからぎこちなくなるんじゃん…(>_<)

「あ、あのさ」

モンブランのケーキを目の前にして、先輩が切り出す。

だあ〜、僕なんて今まで誰かと付き合ったこともないんだよ?

こ、こういう雰囲気、どうしたらいいの?

「な、なに?」

先輩は挙動不審だ。
いつもあんなに自信があるのに。
後輩からは憧れの的なのに。

「食べる?ケーキ…」

「え、あ、うん、先輩切る?」

「つうかクリスマスってケーキ食っておしまいなんかな?」

「まあ…そうじゃないですか?他にすることなんて別に…」


二人の空気が止まる。

ば、馬鹿〜(汗)
先輩がそっと、近づく。

や、ヤバい、ドキドキする、どうしよう、どうしよう、どうしよう…

「鈴…」

蝋燭の明かりだけだから
真っ赤になってるの、わからないよね?

指がのびて眼鏡を外す。

先輩の制服が密着する。



「メリークリスマス!!」


パァンっと音がして、パッと明かりがついた。

眩しさに目をすがめると…愉しそうに笑ってるリイチ先輩と、滅茶苦茶気まずそうな木崎先輩がなだれ込んできた。

クラッカーの派手な紙くずにまみれて、先輩が呻く。

「リ〜イ〜チ〜!!!
てめ〜って奴は…」


「リクエストにお答えして、邪魔しにきたよ。
真っ最中じゃなくて良かったねえ」

「…ごめん、俺は止めたんだ」

僕をみて申し訳なさそうな木崎先輩に、僕は爆笑してしまった。

「あ♪♪♪
モンブランだ〜クリスマスケーキなのに渋い♪」

リイチ先輩に、リョウが苦々しく呟く。

「お前に喰わせるケーキは…あっ、てめ、食うなよ、あ〜っ!!!」





…なんだか、ほっとしたような残念なような。

でも、こんなクリスマスも悪くないよ。

ね、先輩!



〜長い間お付き合いくださいましてありがとうございました。個人的にリョウが好きだったので彼を幸せにしたくて書きました。読んで下さった方々、ありがとうございました〜 ねこより(^^)

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