「スマン！反省してる！
お前が・・一晩ってまさか？・・どんな話しだ？｣主人が赤い目をして私の顔を見ました。
私は店長の話しを主人にしました。
「そんな事は出来ない！お前にそんな事は絶対にさせられない！」
主人は真っ赤な顔をして怒ります。
「当然よね、あなたが怒るのは。でも、一方であなたはそれだけの事をしたのよ。仕方ないわね！好きで一緒になったから…別れるなんて子供みたいな事は言わない！あなたのした事は私のした事でもある！・・・・・・只でさえ注目される教育現場、叩かれる非行教師、全国紙に載るわ。・・・このスーパー。家の店、学校や生徒、両親、あなたの家、計り知れない・・ここには住めないから・どこか他所で暮らしましょ！着いて行くわ・どうせ両親も歳だしお店も誰かに譲って・・」
「あなた、学校には荷物があるの？あなたの私物・もう学校には戻れないと思う。私、取って来る…警察にはテレビカメラも来る、ジャンバーか何か私、警察に持って行くから・・」
私は実際、具体的な行動計画を考えていました。
「じゃ店長さん呼んでくるから」
私がドアに手を掛けた時
「Ｆ子?」
と、私を呼ぶ主人の大きな声が聞こえました。
「本当に、本当に無かったことに出来るのか？俺のした事が、本当に？」
「店長さんは、出来るって・・言ってる」
私は主人に背を向けたまま答えました。
「店長の言う通りにして…お前、俺を軽蔑するよな？俺は、俺のことはいい！店や生徒のこと、何よりもお前にそんな無理な恥をかかせてまで…」
主人の気持ちは判って居ました。私は主人に最後まで言わせず、
「私はあなたの考えに従うだけよ。軽蔑もしない。運命みたいなものに従うだけ！それに仮にもし、そうなっても、心まで・・やったりしない。
あなたの考えなら。その代わり、一度だけ！一度だけしかあなたを助けられない！」と言いました
「いいのね？あなた！一度だけ、聞くわ！」
「二度と・・・しない！｣主人は絞り出すような声で言いました。
「いいのね？店長さんに伝えて、いいのね？」
主人は小さく頷きました
「店長さん！何も無かった事にして頂けますか｣・私は店長に頭を下げたのです。店長室でした。
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