「大事な喪服が…傷みます、脱いじゃいましょう」範良様は片手の縛りを解き、スルリと喪服と襦袢の肩を抜き、再び縛るのです。反対側も同じように…。
「奥様、腰を浮かせて下さい!…え−と、下着は?…ああ、横から脱げますね…便利が良くなりましたね近頃は。私どもはまだフンドシのままです」私は腰を浮かせながら
「はい、…横から…いいです…脱げ…ます……」
私はそれにも応じてしまっていたのです。
腰を浮かせると堅伸様がタイミングよく喪服一式を引き抜きました。
見ると堅伸様は、キチンと正座して喪服と襦袢を畳んでくれていました。
これも馴れた手つきで和服が長方形に畳まれていきます
帯も、足袋もその上に乗せられて……。
「乳がそうなら…ここもですかな?」
立ち上がった堅伸様は、下着の上から、口をつけて来ます!
「あああ−−−ッ!そこは堅伸様!…朝から!…駄目です、ああ−、堅伸様ッ!あ−−ぁぁ−−」
「そうです!奥様!溜まったものを、吐き出すんです!アルミサッシの二重窓!大きな声を出しても、大丈夫!思い切って…全てをお出しなさい」
範良様が乳首から口を離して囁きます。
「おお!煩悩が形を変えて、露となって出てきます!身体から去って行きます!全て、お出しなさい!楽になります!枯れた時こそ、身体が浄化されるのです!これが出る限り、身体が疼くのです」
堅伸様もお経のように呟きます。
最初から二人が、言葉の終わりにボソボソと呟く呪文のような呟きの意味が今やっと理解出来ました…ナーマンダブ…ナーマンダブ…と何度も繰り返しているのでした。長い修行のお坊さんの習慣なのでしょう…。
「おう、おう!こんなに湿っては下履きも、意味を成さん!…脱ぎますよ奥様、生まれた通りの姿に戻って、有るが侭…無…無の世界で、露を吐き出しなさい!」
堅伸様は、下着のフックを外しに掛かります!
「あーー−ッ堅伸様!…あーー!脱ぐの…ですか?あーー仏さまの…前で…す!朝から…綺麗でもあり…ません!駄目です…罰が…当たります!」
私は本気で訴えたのです。「私どもは御仏の化身です。全ては御心のまま」
堅伸様の手は進みます