ピンポーン
「こんにちは 火災警報器の案内に・・」
「けっこうです」
(ハァ 話しも聞いてくれないか)
私は火災警報器のセールスマン 業績もあがらず会社では上司から説教ばかり
(今日は1つは契約取らないと会社にもどれないなぁ)
(あれっ 新築だなぁ 行ってみるか)
ピンポーン
「こんにちは どなたかいらっしゃいますか」
ガチャ
「はい」
ドアが開いた
出てきたのは30才ぐらいのおとなしそうな人だった。タレントで言うと菅野美穂似。ニット地のワンピースに厚目のソックス、お腹の辺りが少し張っていた。妊婦さんだった。
「ここ新築ですか?」
「はい」
「じゃあ火災警報器付いてます」
「いいえ」
「奥さんおめでたですか?」「は・はい」
「お話きいてもらっていいですか?」
「はぁ どうぞ」
(よし これはいけるぞ)
「こんな感じなんですけど、どぅですか?」
「はぁ 主人に聞いてみないと」
(駄目かぁ)
「わかりました じゃあご主人と相談してみてください おじゃましました」
ガチャ
(はぁ 駄目だったかぁ)
(あれっ ペン忘れた)
「すみません」
ガチャ
(あれっ 開いてる)
「ペン忘れたんで」
(居ないなぁ)
トイレから音がする
シャー シャー
カラカラ カラカラ