「好きになった。
付き合ってほしい。」
「…………は?」
意味がわからない。
今、俺は学校内でも1、2を争うイケメンで有名な
門脇 満(カドワキ ミツル)に
愛の告白をされた。
自慢じゃないが、
俺は地味な方で
髪も門脇と違って黒だし
眼鏡だってかけてる。
そんな冴えない
…しかも男になぜ
学校一のイケメンが…
「何の冗談だ?
からかってるのか?」
時刻は16時を回ったところ。
文化祭の準備で
教室に残っていた俺と門脇を夕日が朱色に染める。
他の生徒はいない。
廊下もシンとしている。
「からかってなんかない!
本気なんだ…!本気で宮沢の事が好きなんだ!」
今まで開いていた距離を
つめるように近づいてくる門脇。
「ちょ、ちょっとまて…!
俺は男だ!」
当たり前と言うか
なんと言うか…
条件反射で後ずさる俺。
「そんなの関係ない。
宮沢が好きなんだ!
なぁ…俺じゃ駄目?」