「そんな!?せっかく宮沢に近づけたのに……」
絶交の言葉を口にすると、
目に見えてあからさまにシュンと小さくなった。
「キス…しなかったら
絶交しないから。」
そんな門脇が少しかわいく見えてしまう。
「…わかった…我慢する。
…その代わり、今日は一緒に帰ろう!?」
「うん、いいよ。」
笑って答えると
なぜか門脇は自分の顔を
隠しながら項垂れ始めた。
「か、門脇!?」
「ッ…(こんな間近で笑顔…!
ャバイ、キスどころか何もかも
ヤってしまいたい…
ッでもしたら絶交、絶交…)」
「門脇?どうした?
気分でも悪いか?」
門脇が急にしゃがみこんで静かになった。
気分でも悪くなったのかな…
確か文化祭でペンキとか
使ってたから
それにやられたのかもしれない。
「だい、じょうぶ…。」
大丈夫って言うけど、
全然顔をあげてくれない。
だんだん心配になってきて
とりあえず顔色だけでも
うかがおうと門脇の顔を覗きこむ。
「ッ!!!!(え!?え!?宮沢?
なんでそんな心配そうに
可愛い顔してんの!?
そんな事されたら、ッでも…!)」
「立てるか?家まで送るから俺につかまって?」