「オレ…なんか…忘れそうだった。」
「…アタシも」
「あ…手…握っていいか?」
(バカ…)
手が…震えてる…
今日初めて…伸二がアタシに触れる…
おっきくて温かい手だった。
アタシはギュッと握り返した。汗かいてる…
恥ずかしくて…赤くなってしまう…
(麻緒…あ…可愛いね…)
(ありがとう、お兄ちゃん…)
(なんか…ドキドキしてるよアハハ…バカだな…)
(…アタシもダヨ…変なの。キャハハ)
手を握る力が強くなった。
ヤバイ…
(麻緒…ちょっとあっち行かない?)
人気のない所へ誘ってる…
胸が苦しくなってきた…
(ダメダヨ…)
(なんで?…い、嫌か?)
(なんか…恥ずかしいヨ)
アタシの手を握る伸二の指先が、とっても熱い思いを伝えて来る…
指を愛撫されてるみたいで…アタシ…
(お兄ちゃんと…そう言うこと…イケナイヨ…)
ああ…小芝居じゃなくなって来る…
(麻緒…だってオレ…もう…)
伸二の前ったら…スッゴイ尖っていた…
(ガマン…できない…お前、可愛い過ぎ…)
(…何とかしてあげたいけど…ここじゃあ)