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きらい嫌いも好きのうち?

水無瀬怜奈  2009-11-20投稿
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部屋をノックする音がする

「失礼致します、湊斗様お勉強の進み具合はいかがでございますか?」

俺は慌てて、涙を拭った。

目ざとい彰久は、不審に思い俺の元に近づいて来た。

「湊斗様…どうなさったのです。なみ…」

「違う!汗だからな…全く違うし」

泣いた事が恥ずかしくそんな風にごましたが

彰久はため息を付き

「もしかして、私が言った一言であなたを傷つけたのでは…」

彰久は俺の濡れた瞳にすっと指をあて…拭った。
不意にあいつの指が触れて…ドキドキする。

「湊斗様…申し訳ありません。あなたを泣かせてしまうなんて、私は駄目な執事ですね…あなたに…相応しくない」

執事失格です。なんて口走った。

「待てよ、確かにお前のせいだけど…でも違うからな。お前は、悪くないから…」

彰久は目を見開き…

「意味が分かりませんよ、詳しく話して頂きましょうか」

「う゛〜、」

「早く言わないと、イタズラしますよ…」彰久は楽しそうに俺を見つめてる。
こんな楽しそうな彰久を見るのは、初めてだった。

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