西岡雄也…
商品部の駆け出しだった。
二年前入社して来て、なかなか仕事もガツガツやるし、課長からも見込まれている。
ストイックに仕事に没頭する彼を、可愛いな、と思っていた。
あんまり浮いた話もなくて、おしゃれも上手ではなさそうだ。
入社当時から、チラチラアタシを見てるような気がした。
アタシは一応主任だけど、ダブりの彼とは同級生になるみたい。
「西岡君、ゴメンこれコピーとっておいてくれないかなぁ」
忙しかったアタシはつい彼にそう頼んだ。
すると一応ハイとは言ってちゃんとやって置いてくれるが、やっぱり面白くないみたい。
そう言う所もアタシは逆に好感が持てた。
西岡さんと呼んだ方が無難かも知れないけど、なんかクンなんだよね。
彼の視線は、プライドが刺激されるから?それとも…
「西岡君?」
残業してる…
「あ…主任…」
「みんな帰ったのに、まだやるの?頑張るわね」
「あ、いや…帰ってもやることないんで。」
目を微妙にそらす。
「ねえ…あなたと時々目が合うよね?…あれ…アタシの気のせい?」