アタシと付き合ってから、雄也は目覚しく仕事もこなした。
なのに律義にアタシには敬語を使う。名前でいいって言ったのに、いつの間にか西岡君、主任と呼び合って、セックスの時もそうだった。
「西岡君、先方との折衝早くやっつけてよ!この企画は単なる足掛かりなのよ、ハイ、もう一度いってらっしゃい!」
「はい」
彼は従順だ。
その夜の帰社は10時を回っていた。
アタシはソワソワしながら彼を待ち、一人もいなくなった事務所でうろうろ歩いてた。
「ただいま帰りました。うんと言わせましたよ」
「バカ!なんで連絡しないのよお!」
アタシはつい怒鳴ってしまった!
だって…心配したんだよ?
(すみません…)
アタシは彼にしがみついた!
(ゴメンネ…寒かったでしょ?)
(今…暖かいです…)
しばらく忙しくて二人で過ごしていない。
アタシは椅子に座らせて、思いをキスに込めた。
(ゴメンネ…仕事だから…ゴメンネ)
(主任…嬉しいです)
アタシは彼のズボンの先っぽをイジイジした。
(ア…マズいですよ…職場でこんなこと…)
(ドウシテ?…毎晩…シコシコしてるんでしょ?…)
自分でも信じられない下品な言葉が口から出る。