僕だって地味だけどいっちょまえの男子だ。
アダルトサイトで見たことある知識をフル動員して、良夜の唇を征服しにかかった。
いかにも手慣れた風じゃなきゃダメだ。
これは命懸けの挑戦だと言える。
男のプライドの問題…だから。
良夜が固まってる。
反射的に押し退けようとした腕を、僕は押さえつけていた。
柔らかい唇に、強引に舌を入れる。
顔を背けた良夜に、言ってやる。
「口で説明したって、限界あるだろ?」
良夜は、涙目で向き直った。
「…そうかな」
…その返事は反則だ。
なんか、一瞬、とてつもなく可愛いとか思ってしまった。
童顔で、華奢だから、驚くほど嫌悪感がない。
…むしろ…。
いや、いやいや、それはマズイ。
仕方ないから、やってるんだというスタンスを崩したらダメだ。
よりによって本気で良夜に欲情したりなんか、するはずないっ!
でも僕は、しっかり良夜を抑えたまま、
「うん。じっとして…少し唇、開けて」
とか口走っていた。
良夜は素直に「ウン」とか小さく呟いている。
ヤバい…また可愛いとか思ってしまった。
両頬に手を添えて、唇を重ねる。
ドラマや映画みたいに、唇の隙間に舌をそっと差し入れる…と、良夜がぴくって身体を震わせた。
構わず、良夜の舌を探る…。
「…ン、そ…うた、モ…やめ…」
真っ赤になって舌から逃れようとする良夜を、僕は本気で攻略しようとしていた。
クチュ…チュ…。
信じられないくらい柔らかい良夜の舌が、僕の舌に追い詰められてとうとう捕まった。
おずおずと、絡まる。
絡めてくる舌を感じて、嬉しくなった。
良夜が、ノッてきた!
初めてのキスで、感じさせてやった!!
ン…ハア…ンン…ッッ
唾液が口はしから零れるくらい、お互い初めてのキスに夢中になっていた。
エロ漫画や、エロ小説にある大人のキスを僕らはむさぼっていた。
こうなると相手の性別などたいした問題じゃないのだ…。
頭の中は、炸裂する、初めて他人と一瞬に体感する快楽でいっぱいだ。
僕の手が、自然と良夜の学ランに伸び…金色のボタンを外していく。
舌を激しく絡める良夜は気づいていない…。
細くて白い首筋…。
シャツのボタンを真ん中まで外す…。