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遠い日の唄 10

にゃんこ  2010-01-08投稿
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もどかしい思いで、ユウの白いブラウスのボタンを外す…。

抱きたい。

囁いた言葉に、ユウが頷いた。
当たり前みたいに。

何をどうしたんだろう。 とにかく夢中で、身体中にキスして…解らないながらに入れようとして、失敗してしまった。
ユウは当然ながらしたことがないから、キツすぎて入らない。

俺はそれでも構わなかった
ごめんなさい、って泣きそうな頬にキスして抱き締めて…。

鋼さん、鋼さん…とうわごとみたいに言い続ける唇や白い肌に残したキスの跡や…ぎこちなく俺に触れる指先だけで充分だった。

ユウ、と何回口走っただろう…。
おかしいくらい、切なかった。
ユウを満たしている悲しみや恐怖を消してやりたい一心だった。

鋼さん、大好き。


ユウの言葉と一緒に、俺は果てた。
ユウも同じように、ぐったりして…二人して目を閉じていた。


不思議なくらい、神聖な行為だと思えた。
女の子とした時に漠然と身体を包む倦怠感や、罪悪感がなかった。

あったのは愛しさだけ。

切ない、という言葉の意味を、ユウは教えてくれたんだろう。


…今思えば、そう思える。
ユウ、本当にそう思えるよ

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