その日、俺は絶対に有り得ない事を体験した…。
「あぁ、明日は仕事休みだな、今日は家でゆっくり酒でも呑むか」
次の日が会社が休みと言うこともあり俺は会社の帰り際コンビニで酒とツマミを買い暮らしている部屋へと帰った。
「只今ーっと…誰もいねえか…」
アパートの一室を借り一人暮らしをしていた俺には出迎えてくれる家族、まして彼女はいなかった。
「さてと…。」
俺はシャワーを浴びて汗を流し夕食の準備をし始めた、と言っても簡単に冷蔵庫の中の物と買ってきた酒とツマミをテーブルに並べるだけだ。
「はーぁ…、彼女の一人もいればなぁ…。」
妙な侘しさを味わいながら酒を呑みながら食事していた。
「あれ?煙草がきれてる」
部屋の中を探したが買い置きの煙草は見つからなかった、仕方なく買いに行こうと俺は上着を着て玄関のドアを開けた。
「さっき一緒に買ってくれば良かった」
自分にぼやきながらコンビニまで歩き目の前の交差点で信号を待っていた俺の目の前が一瞬歪んで見えた。
「んっ?何だぁ?目眩か?疲れてんのかな」
だが今、起きたそれは疲れ等ではなかった、そしてそれが今まで居た世界の最後の景色だった。