俺は女王の前に行き其らしく膝まづく。
「遅くなりました。」女王ローラ様」
「あら、謙虚な言い方ですね、普通に喋って良いのですよ」
ローラは椅子から立つと俺の手を掴み立ち上がらせた。
「こんな言い方、やっぱり変だよな」
「ええ、普通に喋って下さい。
それより勇者様に頼まれた付き人を見て下さい、彼女達が貴方と共に魔王討伐に向かいます。
左から双剣士アクラ、拳闘士イヴ、神官リリス、魔導師ルルです。」
俺は四人の顔と名前を覚えるために、じっと四人を見つめた。 アクラは背が低くく胸も余り大きくなく、何処かあどけなさが残る様な顔立ちで余り強そうには見えなかった。
イヴも言われた様な感じがせず華奢な体つきだったがアクラより年上と言うことは顔立ちや胸の大きさで想像がついた
リリスは前の二人とは違い大人びた顔立ちで清楚さが伝わり神官と言うのも頷けた。
そしてルルは美しい容姿が妖しいさを漂わせていた。
「なぁローラ様、本当に皆強いのか?ルルやリリスは見えてもアクラとイヴは余り強そうには見えないけど…」
外見こそ四人とも綺麗だがとてもアクラやイヴが強そうには見えなかった。
「彼女達の強さは私が保証します、この四人とも剣士隊、拳闘士隊、クリンク隊、魔法隊の中でも一、二を争う者達ですから、さぁ勇者様貴方に此を」
ローラは俺の右手の甲に何かの紋様が書かれた紙を置いた。
「何だよコレ?えっ?あれ、紙が消えていく…」
手の甲に置いた紙がまるで俺の中に入り込んだかの様にスーッと消え俺の右手の甲にその紋様が刻まれた。
「その手の甲の紋様こそ貴方が異世界の勇者という絶対の証です、今の紙は普通の人間には何の変鉄もない紙ですから」
「やっぱりそうなんだ…、俺がやらなきゃ駄目なんだな」
たった今起きた出来事のおかげで、俺はローラの言葉を完全に信じる事になった。
「勇者様、貴方様の御名前を教えて下さい」
「天城」
俺は再び女王ローラに膝まづき自分の名を名乗った。
「勇者アマギ様、この国に伝わる宝刀ルーンブレードをお持ち下さい、そしてどうかこの世界をお救い下さい。
俺はローラから一振りの剣を受け取った、その剣は驚く程軽くその刃は自らの顔が映る程美しく研ぎ澄まされていた。