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輪廻  2010-01-23投稿
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その帰りの車中では、助手席に律子が、後部座席に倉真が座っていた。

「新島さんも、今日は遠くからわざわざありがとうね。」

運転しながら何気なく美月が話しかけた。

「いえ。距離が遠いのはいつもと変わりませんから。」

「そ、それもそうだよね。何言ってるんだろ、私。」

律子はルームミラー越しに倉真に話しかけた。

「百合原くんはどこに住んでいるの?」

「え?あっ…あの、ほら。」

律子の質問は鋭かった。
律子の住んでいる町は学校のある町からは3つほど離れており、これ以上離れている町に住んでいる人間は珍しい。
倉真は学校のとなり町に住んでおり、無論とっくに通り過ぎていた。

「わ、私の家の近くなの。それでまず新島さんを送ってから…。」

「…。」

律子は二人に鋭い眼差しを向け続けていた。

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