「スゴイですね…。」
美月の家は一軒家の借家だ。
そこまで旧くはないが、確かにテレビアンテナが埋もれかけるほど屋根に雪が積もっていた。
「テレビはなんとか見れるんだけど怖くて…。」
「彼氏さんとかはいないんですか?」
美月はにっこり微笑んで言った。
「いたらとっくに頼んでます。」
「すみません…。っと。じゃあ、すぐやっちゃいます。住んでるアパートより全然低いですから。」
「無理しないでね、危なかったらやめてもいいから。」
倉真は美月の背を押し、家の中に促した。
「夕飯作って待ってて下さい。」