「若い娘は、お金ばかり欲しがって…演技でセックスしますからね。全然、面白くもない。オーガズムを知らないでイッた芝居をする。女性がイクと言うのはあんなもんじゃない。
その点、人妻さんはいいですよ。お金じゃなく、セックスそのものがしたいって方ばかりだから…本気にイッてくれます。大胆に、ですね…でも、そうだな、奥様のような美人をAVに撮ったこと、ないなあ…あッ、奥様、後ろのバック取って貰えます?」
私は女の顔は一度も見ずにカメラをいじくる振りをして、女に呟くように話した…
「あの、私、おビール頂いていいかしら?勝手に…」
「どうぞ、どうぞ、ごめんなさいね、私、手が離せなくて。遅れたら、私この車で指定の場所まで、お送りしますから…」
「セックスをしたい人妻さん、多いんだ。判らないものね、……」
「そうですよ、旦那さんが単身赴任や長期出張、会社で偉くなって、奥さんは放りっ放しにされてセックスレスに悩む奥さん、多いですよ。ストレスって怖いですよ、髪の毛が抜けたり、肌の艶がなくなったり果ては万引きまでするようになるんですよ…」
「そうね、男性も職場では大変そう…」
グラスを運びながら女は言った。
「かと言って、人妻さんも、旦那さんを愛して、家庭は守りたいって奥さんばかりで。…しかし、セックスの不満ばかりはどうしようも、ないって。絶対にバレないこの車のような場所なら安心して、大胆になれるんでしょうね。ラブホには興信所が居るし、必ず人目があるから…この車なら、旦那さんさんが仕事中の昼間でも、海でも山でも移動は出来るし…皆さん、大胆で、いい作品がとれますよ、私の作品、好評なんですよ。…あッ、奥様、このランプが点滅したら準備OKですからね」
私がスイッチを入れない限り点滅する筈のないランプを指指して私は言った。
私は冷蔵庫から缶コーヒーを取り出しプルトップを開き口をつけた。
「見て下さい、奥様!手入れが大変なんです、シーツは毎回取り変え、清潔に保つのが。…でもね、夫婦じゃ出来ないセックスをしたいって男優さんから何度もイカされて、最後に『ありがとうございました』ってお礼を言われると、感激して、苦労も吹き飛びますよ、この車が人妻さんのお役に立ったと思うと…」