「ルル、どうした?怖い顔して」
「えっ!?あっ、いえ何でも」
ハッとし我に返ったルルだったが、やはり何かが刺さった様な感じがしていた。
「あの女の子大丈夫かな?」
リリスの方へ近づいて行くと少女の体を包んだ金色の光が消えていった。
「ふぅ……、何とか間に合った…」
「リリスどうだ?その女の子助かったのか?……うっ…!」
傷や火傷で爛れた皮膚は治ったものの俺が見た少女の体は黒く焦げた色をしていた。
「はい、もう大丈夫です勇者様、でも傷は治っても体力がまだ…、それにこのまま放って置くわけにも生きません…」
「なぁ、宿に連れていこう。
今日は、宿でゆっくりしないか?」
俺の案にリリスは頷き、少女をほったらかしには出来ないと言う理由で今日は宿をとる事にした。
「ふぅ…、意外と遠いな」
今まで居た場所から宿までは意外に遠かったが少女をおんぶしていた俺は彼女の胸が背中に密着している感触を罪悪感に囚われながら楽しんでいた。
「おっぱいの柔らかい感触がいいなぁ…、あっ!?なぁルル、頼み聞いてくれるか?」
「はいっ!何でしょうっ!」
俺はこの少女が着ている服がさっきの魔法で黒焦げになっているのを見ていた為に、この少女の服を買ってきてもらおうとルルに頼んだ。
「あっ、それでだけど………」
ルルの耳元で俺は小声でルルと同じような少し露出の高い服を買って来るように言った。
「はい、わかりました、それではその様な服を買ってきます」
ルルは少女の服を買いに行き、俺達は先に宿に行く事にした。
「着きましたよ勇者様」
先頭を歩いていたイヴが立ち止まった場所にレンガ作りの大きな建物があった。窓からは蝋燭の光が漏れ何処か幻想的な雰囲気が漂っていた。
「今、部屋をとって来ますから勇者様は其所で待っててください」
宿の入り口を入ると中には広いロビーがあり多くの旅人が休んでいた。
「勇者様、この子をどうするおつもりですか?」
少女をおんぶしていたため椅子に座らずロビーで立っていた俺にリリスがその心意を聞いてきた。
「出来ればこの子に仲間になって欲しいと思ってな、この子が賞金稼ぎって事はさっきの会話からわかったし、足手まといにはならないだろ」
「そうですか、勇者様が望なら私は何も口出ししませんし目が覚めたら交渉してみましょう」