「…ア…」
器用に外されていくボタン…手慣れてる。
急ぐでも、ゆっくりでもなく、ひとつ…またひとつ。
俺から出てるなんて思えない吐息や、声が部室に響いて…鈍い頭の奥で舌を捩じ込まれながら目を閉じた。
「眼鏡外してやろうか?」
唐突に聞かれて、
「いい…」
と答えた。
「風見、風見…俺のこと…好き?」
先輩が耳元で囁く。
熱い。
濡れた舌が首筋を這う。
「ふ…つう…」
先輩が笑う。
いつもの笑みじゃなくて熱に浮かされたような掠れた笑い。
開かれた隙間から、忍びやかに訪れる指。
俺自身、弄ることのない粒を躊躇なく撫でられ、全身が粟立つ。
「も…先輩、何で…」
「風見が可愛すぎるからだろ…」
可愛い?
正直顔だって対したことないし、性格は…ねえ?
先輩、おかしんじゃない…と思うのに声が出ない。
感じたことない、言い現せない感情…感覚…快楽…もう、わかんない…。
抵抗すりゃ良かった、なんて少し思ったりしていた。
だって…怖いから。