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扉の向こう側?

日和  2010-01-31投稿
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10分後、商品を並べ終えてカウンターに戻ると先輩は電話中だった。

『…じゃないでしょうが!いいか?!…』



横目で俺に気付くと慌てて電話を切った。

『終わりました。…あの、電話…切らなくても』
『あ、いーのいーの!それより早かったじゃん?!
いつもより並べやすかったんじゃない?』なんて。

確かに…いつもなら棚をいったり来たりしていたっけ。今日はそんなことなかった。

『でしょ?昨日、弘希…いや、店長が君が並べやすいようにって箱の中・いじってたから♪』

・・・・。自分で出せよ!

佐倉君のこと、気に入ってるんじゃないかな?なんて笑う先輩の言葉は完全に無視して事務所に向かう俺。
『…帰ります?』
『あ、待て!』

なんだ?

『明日休みだろ?ゆっくり休めな♪』

なにも知らない先輩は無邪気だ。

『…お先失礼します』

それだけ言うとすぐに着替えて店をあとにした。

ゆっくりなんて出来る訳がない。アイツの言う“来る”は、明日なのだから。

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