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扉の向こう側?

日和  2010-02-19投稿
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『遅かったな。どこへ行くつもりだったんだ?』

湯気のたつカップで手を温めながら周藤は笑っている。
『別に。』

マフラーを外しながら向かいに座る。店内は暖房がきいていた。

離れるなよ?とか言ってたくせに。…先を急ぐ俺を呼び止めない、あなたの性格を疑います。

『お待たせいたしました。ホットミルクです』

カップとハチミツのポットが置かれた。 ここではカフェオレにもハチミツなんだぜ! と、周藤はなんだか自慢げだ。

ゴクリ。

一口飲むと 冷えきった体に温かいのが染み渡る。意外に旨い。

『これからどうするんですか?』

カップで手をすりすりしながら聞いてみた。

『お前はここでお留守番だ!』

言うなり伝票を取ると会計を済ませようとする。

『えっ?!』

別に周藤と一緒にいたかった訳じゃない。ただこんなとこに一人で置いていかれても困る!

『俺は厄よけに来たのよ?30分、いや40分くらいで戻るから』

待ってられるな?
聞かれて頷く。いい子だ…ってクシャッと頭を撫でて、店を出る周藤。

俺は―、

何もいえなくて―。


…ごちそうさまでした

そう小さく呟いた。

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