京子が眠っている間、私はどうもこの部屋に入ってから納得出来なかったことに挑戦することにした…
京子が言ったことが気になっていたからだ。
ここに来る前、京子がホテルに電話を入れた時、503号室が楽しい とホテル側が答えたと言う。
私はてっきり、SMルームだろうと考えていた。
確かに、浴室は豪華だし部屋の作りもゆったりとしている。
しかし、特異なものは見当たらない。どこが楽しいのか……。
私はテーブルの上の503と書いたパンフレットを開いた…
平面図を見る。全体は長方形。脱衣所の対面が浴室。突き当たりがトイレ。…発見?
脱衣所の背中側にもうひと部屋あるではないか!
トイレと脱衣所の間にドアがあった。そこがSMルームになっていた。
入り口に照明スイッチがあり、ONにしてドアを開く。
床は全面タイル張りだ。
左右の淵にワッパが付けられたシングルベッド。壁は鉄筋を 15?間隔で組んだコンクリート剥き出しの壁。天井からチェンやロープ、縄などが下がっている。
電動式鞍馬機、産婦人科の診察台、何故か、壁にはダーツゲーム器、張り付け台、拘束器具…
あらゆるモノが揃っていた…。
部屋の隅には体裁のいい洗浄ホースが束ねられ加圧されているのであろうガンがついている。
少々の汚れは掃き落とすのたろう、心無しか床に勾配がついている。
鞍馬機に乗り、スイッチを入れると腰の部分が卑猥に揺れはじめた。
あまり気持ちのいい部屋とは思えない。
一通りを見て部屋に戻った……
「センセ!…相談が…あり…ます!」
突然、寝てる筈の京子が言葉を掛けて来た。
私がバスローブ姿だったから、センセだろう。
「患者さんですか…」
「はい。診て頂きたいのですが。京子です」
「京子さんですね。私はエッチなドクターですが…あなた、セックスしましたね。私は精子まみれのオマンコは診ません。ゆったり、1時間シャワーを浴びて綺麗になって来院下さい。私もシャワーを浴びましたから」
「はい、失礼しました…」
と言って京子は浴室に消えた。
さて、あの部屋に京子を連れていくべきか、どうか迷う。
差し当たり、診察椅子だけあればいい。トイレの振りをして、診察椅子を見にいく。診察椅子にはキャスターはついていなかった
診察椅子をここに運ぶのは諦めた。
今の京子はとんでもない方向にプレーを向けるような気がしてならなかった。